水素発電というのをご存じでしょうか、現在日本では、国を上げて、水素社会を目指していますが、その中で、経済産業省を中心に政府として1番力を入れているのが、この水素発電ではないでしょうか?水素は、非常にクリーンなエネルギーで、燃焼させても、化石燃料のように、大量のCO2が出る事はないですし、又燃焼済みの灰も出ません。出るのは、水だけです。しかも水ですので、捨てる処にこまるような事は、全くありません。

 

水素発電ですすむ健康的な社会

水素発電と化石燃料発電の違い

現在主力の発電方法として、上げられるのが火力発電、原子力発電ではないでしょうか?これらは、どちらも汽力発電と言われる発電方法で、燃料は変わっていっていますが、非常に古くからある技術で、19世紀頃に船の推進力として初めて使用されたもののようです。汽力発電は、簡単に言うと、燃料を燃やして、ボイラ内の水を沸騰させ、その蒸気の力でタービンを回して、電気を作り出す技術です。非常に使いやすい技術ですが、エネルギー変換効率の悪い方法です。石油、天然ガスでもそうですが、最初にお湯を沸かす事で、エネルギーを変換します。その蒸気の運動エネルギーを使用してタービンを回して、電気を作りだすので、当然と言えば当然といえるかもしれません。ちなみに電気への変換効率としては、天然ガスでは50~60%と言われていますが、石油、石炭では、40~43%と低く、さらに原子力に至っては、エネルギー効率が約33%と言われており、ドイツでは原子力の変換効率の10%との意見もでています。

そして、汽力発電では、廃熱、灰などの副産物が発生しており、その処理に問題が発生します。また、タービンを冷やす必要があり、大量の水が必要な発電システムのため、海の近くという立地条件も必要な発電なのです。

水素発電は、実際導入として汽力発電を使った方法も検討はしているが、資源エネルギー庁ですすめているのが、ガスタービン方式と言われる方法で、天然ガスと水素の混合ガスを燃焼させて、直接タービンを回して発電する水素発電ですが、現在天然ガスでコンバインド発電と呼ばれ実用化している方法で、水素発電の実用化として、可能性の高い方法です。

 

水素発電の種類と燃料電池

水素発電の方法として、日本政府は、資源エネルギー庁にて、3つの発電方法を検討しています。簡単に実用が可能なのが、火力発電と同じ、汽力発電です。そして、水素発電として実用化を目指しているのが、1番重点をおいている、発電方法は、ガスタービン発電です。

しかし、実際、水素を1番電気変換効率の良い方法として優れているのは、燃料電池と呼ばれる水素発電方法です。実際廃熱まで、利用すれば、燃料電池は、エネルギー変換効率は約80%と言われて、現在の石油、石炭を使った発電方法の約2倍の変換効率となります。なによりも良いのは、発電中に出るのは、水だけです。温暖化で問題となる、二酸化炭素CO2や、公害問題となる窒素酸化物NOx、硫黄酸化物SOxそして、粒子状物質PMなどの大気汚染物質をまったくだしません。但し、現状の技術ですと、初期投資が非常に高くなるという問題があります。また、耐用年数が7~10年と言われ、価格的なメリットがあるかが燃料電池を使った水素発電があまり進まない理由のようです。実際計算が出来ていないのですが、原子力発電の廃炉まで考えたコストを考えれば、かなり割安な発電ではないかと考えられます。

水素発電のメリット(燃料電池として)

・エネルギー効率が良い

現在の主力である、火力発電(40~43%)と比較すると、最高80%と倍近くなり、非常に高くなっている。これは水素から直接エネルギーを取り出す事が可能だからです。

・温暖化問題とならない

通常化石燃料の燃焼によって、水素を燃焼しても、温暖化問題となるCO2を初めとする、温暖化の原因となるものが出ない。

・環境汚染物質が出ない

水素には、未燃焼する不純物が無いため、環境汚染となる、PM2.5と言われる、粒子状物質やNOx、SOxなどの窒素酸化物、硫黄酸化物発生しないため、公害とならない。

・副産物が無害である。

通常、汽力発電の場合、燃料となるもののカスが大量に発生します。水素発電の場合、発生するのが、最後は水ですので、廃棄費用等を考える必要が無い。

水素の埋蔵量は無限である。

水素は現在枯渇が叫ばれている、化石燃料とは違い、海を初めとして無尽蔵に存在している。そのため、枯渇する事がない。

水素発電の最大の問題点

水素発電が進まない理由として、水素の供給の問題と、水素発電の技術不足に問題があります。

まずは、水素発電の問題としてですが、実はその発電方法に問題があります。水素発電には、現在3つの発電方法が考えられています。ガスタービン法、汽力発電、燃料電池です。実際水素のエネルギーを効率的に取り出す事が出来るのが、燃料電池です。しかし先ほど、説明しましたが、電池の寿命が、7~10年また、発電層が高コストという問題があり、非常に投資に二の足を踏んでいる状態といえるでしょう。ただ、水素を燃焼させる事なく、直接電気を取り出す方法ですので、将来的には1番良い方法と言えます。

そして、実際資源エネルギー省が推奨しているのが、ガスタービン法とよばれる、水素発電方法です。これは、もともと天然ガスを使ったの発電方法としてしられている方法で、まず燃料を燃やした事で出る、排出ガスによって、カスタービンを回し、さらに廃熱を利用して、さらに蒸気タービンを回すことで、2度利用しており、車で言えばターボ車のような方法です。このガスタービン法を水素発電で応用しようと考えられている訳です。しかし、水素の燃焼には、こんな特長があります。

・体積あたりの発熱量が低い

・燃焼速度が速い

・断熱火炎温度が高い

体積あたりの発熱量は、天然ガスに比較すると、3分の1と言われています。そのため供給するガスの配管の形状やノズルの形を変更する必要があります。次に燃焼速度ですが、天然ガスと比較すると、約7倍の燃焼スピードがあり、逆火(ぎゃっか)といわれて、供給スピードよりも、燃焼スピードが増してしまうと、発生する現象で、供給元のノズル等を損傷させてしまう事があり、現在、天然ガスとの混合ガスで検討している。また、断熱火災温度が高いと言われています、これは、ホットスポットが発生してしまい、NOxが発生するリスクがあります。そこで、現在選択されているのが、拡散方式と予混合方式で、大きな違いは、燃焼炉の中に、燃料と燃焼用の空気を別々に入れるのは、拡散方法で、予め、燃焼ガスと、空気を混ぜるのは、予混合ガス方式です。それぞれにメリットデメリットがあり、予混合ガス方式では、ホットスポットが出来にくいため、燃焼時のNOxの発生は抑えられますが、水素は全体の5%程度までしか入れられません。現在の天然ガスの燃焼方式のため、実用化はしやすい。一方で、拡散方式は、ホットスポットが出きてしまうため、それを抑えるために、ホットスポット部分を水や水蒸気で冷やす方法で、発生するNOxを抑える事ができます。また、水素の供給呂に制限がありません、国内での実績はないですが、海外では、実績がある方法です。しかしガスタービンとしては、どちらも一長一短の問題があり、現在ドライ型といわれ、水素リッチの混合ガスを利用して、水蒸気や水の利用なしに、ホットスポットを解消する、ドライ型といわれるタービンを現在開発中です。開発については、日立製作所のIGCC用ガスタービンや川崎重工業の水素ガスタービンがあげられます。

一方で、水素発電に使用する水素の供給についても課題があります。現在必要になる、水素は、LPガス、天然ガス、メタノール、バイオマス等から、得られたり、製鉄所やソーダー工場などから豊富に資源を確保しやすい一方で、未だ価格が高い問題があります。実際LPG等から比較すると、約5倍の価格差があるとされます。また、同じ価格で供給するためのインフラ整備等を考えると、水素発電が国内全体の20%程度まで必要との試算があるそうです。

全体的に、価格面の問題が多いですが、人間の生活に関する、環境問題を考慮した場合、電気代がいくらか上がったとしても、将来の健康等を考慮した場合は、すすめるべきものと思います。危険な原発をあれだけすすめたのですから、出来ない事はないかと思います。

参考資料

世界初の「水素発電所」を東京湾岸に建設、2015年に90MWで商用化へ
燃料電池の仕組みと特長
注目を集める水素発電
水素発電について
水素の発電と燃焼は何が違う? 燃料電池と水素爆発のしくみとそのエネルギー