活性酸素は、体を錆させるという事で、非常に嫌われているものです。実際どんなものがあるか、また どうすると活性酸素が発生するのでしょうか?活性酸素の発生のメカニズムと対策についてまとめてみました。

活性酸素の発生と対策について

フリーラジカルとは

活性酸素の説明の前に、フリーラジカルというものの存在が必要になります。簡単に言うと反応性の高い物質ですが、詳しく説明すると以下のようになります。(一般的にはちょっと難しいと思いますので飛ばしていただいても大丈夫です。)

電子は、原子核の周りの電子軌道に、電子雲として、雲状に存在しています。(公転に相当するが、電子は、ラザフォード模型のように、核の回りを回っているのではない)。 電子は、「スピン」と呼ばれる角運動量(J)を持っている(自転に相当する)。

 鉄、コバルト、ニッケルは、電子のスピン角運動量(J)のため、磁気モーメント(μ)を有しており、磁気が発生する。  電子の持つスピン角運動量(J)の量子数は、スピン量子数(ms)で表されるが、2種類に限られる:上向きの矢印(↑)で表されるスピン量子数(ms)=1/2のαスピンと、下向きの矢印(↓)で表されるms=-1/2のβスピンの、2種類が存在する。  電子は、2つの状態の内、いずれかの状態しかとることが出来ない(磁場中の粒子は、2つのエネルギー順位に分裂する)。  どんな軌道でも、電子2個までしか、同一軌道上に存在できない。その電子は、互いに逆のスピンを持っていなければならない。(Pauliの原理:パウリの禁止原理)  原子や分子は、ひとつの電子軌道に、互いにスピンの向きが逆の電子2ケ(1/2、-1/2)が、対(ペア)になって、存在していると、互いのスピンを打ち消し合い、スピン量子数(ms)は0となり、安定している。  なお、原子や分子の全ての電子軌道に存在する、全ての電子のスピン角運動量の合計が、0の場合は「一重項状態」、1の場合は「三重項状態」と呼ばれる。  一般に、「三重項状態」の方が、「一重項状態」に比して、より安定なエネルギー準位にある。  ひとつの電子軌道に、ひとつの電子しか存在しない時、その電子は、不対電子と呼ばれる。不対電子は、「・」で示される。  不対電子を有する、原子や分子(=フリーラジカル)は、他の分子から、電子を1ケ奪って、対になろうとする。そして、フリーラジカル、他の分子から、

1ケの電子を奪って酸化させたがる。その際、フリーラジカル自体は、還元される。  一酸化窒素(NO)や塩素(Cl)も、フリーラジカル。  

活性酸素とは

活性酸素は、普通の酸素分子(O2)よりも活性化された状態の酸素分子とその関連物質を指し、細胞を損傷させる事で、老化の原因になっている事が、最近知られるようになってきました。その一方で抗酸化という言葉もあちらこちらで、目にするようになってきました。この活性酸素はどのようなもので、なぜ体内で発生するのでしょうか?また抗酸化物質がどうして必要とされているのでしょうか?

活性酸素は英語で、Reactive Oxygen Speciesのため、”ROS”として略される場合があります。活性酸素は大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称のため、ひとつのものを指している分けではなりません。

もともと、酸素原子(O)には電子が8ケあるが、最外殻軌道(L殻)に6ケの電子が存在している:酸素原子は、K殻の1S軌道に2ケ、L殻の2s軌道に2ケ、2p軌道に4ケの電子を有している。  L殻の6ケの電子の内、4ケの電子は、結合性の2つの軌道(πχ、πy)に、スピンが対(1/2、-1/2)になって存在している。しかし、2p軌道に存在する、残りの2ケの電子は、同じスピンの向き(1/2)のため、不対電子になって、反結合性の2つの軌道(πχ*、πy*)に入っている。  酸素分子(O2)では、酸素原子2ケに存在した計4ケの不対電子の内、酸素原子の共有結合に際して、2ケの不対電子は対をなすが、残りの2ケは不対電子のままである。 このように、酸素原子は、ビラジカル(・O-O・)だが、活性酸素ほど、酸化反応性は強くない。

 

一般的に活性酸素スーパーオキシド(スーパーオキシドアニオンラジカル)、ヒドロキシルラジカル過酸化水素一重項酸素の4種類とされる。活性酸素は、酸素分子が不対電子を捕獲することによってスーパーオキシドヒドロキシルラジカル過酸化水素、という順に生成します。

スーパーオキシドは酸素分子から生成される最初の還元体であり、他の活性酸素の前駆体であり、生体にとって重要な役割を持つ一酸化窒素と反応してその作用を消滅させます。次に活性酸素の中でもヒドロキシルラジカルはきわめて反応性が高いラジカルであり、活性酸素による多くの生体損傷はヒドロキシルラジカルによるものとされている。そして過酸化水素の反応性はそれほど高くなく、生体温度では安定しているが金属イオンや光により容易に分解してヒドロキシルラジカルを生成します。

活性酸素は1 日に細胞あたり約10 億個発生し、これに対して生体の活性酸素消去能力(抗酸化機能)が働くものの活性酸素は細胞膜のリン脂質の酸化(peroxidation)や、細胞内のDNAの酸化損傷し,平常の生活でも細胞膜、DNA 酸化損傷の数は1日数万から数10 万個になるがこの細胞およびDNAの 酸化損傷はすぐに修復される(DNA修復)。ここで、酸化とは、酸素と結合する意味と、電子を失う化学反応と2つの意味があります。活性酸素の中でも、スーパーオキシド(・O2)は、酸化力は、低い。  ヒドロキシルラジカル(HO・)は、寿命は短いが、酸化力は、強く、特に細胞脂質を連鎖的に酸化させてしまい(連鎖的脂質過酸化反応が発生します。)最終的にはガン化するものです。

活性酸素の種類

一般に活性酸素フリーラジカルは混同されることが多いが、活性酸素にはフリーラジカルとそうでないものがある。スーパーオキシドアニオンラジカルヒドロキシルラジカルはフリーラジカルである。過酸化水素一重項酸素はフリーラジカルではない。広義の活性酸素には一酸化窒素、二酸化窒素、オゾン、過酸化脂質などを含んでいます。

狭義の活性酸素

スーパーオキシドアニオンラジカル O2

過酸化水素 H2O2

ヒドロキシルラジカル  HO・

一重項酸素 1O2

 

広義の活性酸素

一酸化窒素 NO

二酸化窒素 NO2

オゾン O3

過酸化脂質

ペルオキシナイトライト(ONOO)

脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)

次亜塩素酸(HOCl)

アルコキシルラジカル LO・

アルキルペルオキシルラジカル LOO・

ヒドロペルオキシルラジカル HO2

 などがある

代表的な活性酸素の特長

1)スーパーオキシドアニオンラジカル O2

 細胞内のミトコンドリアでは、内膜を電子が伝達される(電子伝達系)のと共役して、水素イオンが膜間スペース(膜間腔)に汲み出され、エネルギー(ATP)が産生される。 呼吸により取り入れた酸素分子(三重項酸素:3O2)は、ミトコンドリアの内膜の電子伝達系の複合体IVで、伝達された電子により、四電子還元され、水(H2O)が生成されます。しかし、この際、1~3%(約2%)の酸素分子は、一電子還元され、スーパーオキシド(ス-パーオキシドラジカルアニオン:・O2)も、生成されてしまう(「・」は、不対電子が1ケあるという意味。)なお、ミトコンドリアの電子伝達系の複合体  スーパーオキシド(superoxide)は、白血球(好中球)内で細菌を殺す際に、生成される。 スーパーオキシドは、キサンチン酸化酵素によっても生成される。アロプリノールは、キサンチン酸化酵素(キサンチンオキシダーゼ)を阻害し、活性酸素の産生を抑制する(ラジカル産生抑制薬)。赤血球のヘモグロビンの鉄と結合した酸素からも、スーパーオキシドが、生成されるという:

 Fe2++O2→Fe3++O2  

フェントン反応で生じる三価の鉄イオン(Fe3+) は、スーパーオキシドにより還元され、Fe2+に戻る。  

O2+Fe3+→O2+Fe2+ (ハーバー・ワイス反応:Harber-Weiss reaction)

 また、銅は、スーパーオキシドにより還元されたり、酸素を酸化させる。

O2+Cu2+⇔O2+Cu1+  

酸素分子(O2)は、不対電子を、2ケ有している。  スーパーオキシド(・O2は、酸素分子(三重項酸素)に、電子が1ケ入って、不対電子の数は、1ケに減っている。  スーパーオキシド(・O2は、多量に発生するが、酸化力は弱い。  スーパーオキシドは、特に、核酸と反応する。  スーパーオキシドは、ラジカルとしての反応性は低く、酸化障害に、重要な寄与は、しないと考えられている。  スーパーオキシドは、体内でスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)により、過酸化水素に代謝される:  

2O2+2H+→O2+H2O2  

高脂血症高血圧は、血管内皮細胞のスーパーオキシドの産生を増加させる。スーパーオキシドは水溶性だが、連鎖的脂質過酸化反応に関与する。NADPH酸化酵素(NADPHオキシダーゼ)は、血管内皮細胞の表面に存在し、種々の刺激で、容易に活性化され、スーパーオキシドを産生する。ディーゼルエンジンの排気ガス粒子(DEP:Diesel-Exhaust-Particles)を吸入すると、肺の中で、

スーパーオキシド(O2過酸化水素(H2O2

⇒(フェントン反応)→ヒドロキシルラジカル(HO・)

(フェトン反応は、過酸化水素と二価の鉄イオンなどが反応してヒドロキシルラジカルを生成する反応)

フェトン反応:    H2O2+Fe2+⇒Fe3++HO +HO・

と反応が進み、肺が障害され、浮腫などが出来ることが、生体計測ESRで確認されています。

2)過酸化水素 H2O2

過酸化水素(hydrogen peroxide)は、酸化力は弱いが、安定していて、寿命が長い。過酸化水素は、細胞中の鉄イオン(Fe2+)や銅イオン(Cu1+)などの触媒作用(金属イオンは、電子を供給する)で、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化する:

Fe2++H2O2 →Fe3++HO+HO・ (フェントン反応)

Cu1++H2O2 →Cu2++HO+HO・  

過酸化水素は、鉄イオン媒介ハイパー・ワイス反応によっても、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化する。  

O2+H2O2→HO・+HO+O2  

過酸化水素は、ミエロペルオキシダーゼの作用で、さらに毒性の強い次亜塩素酸(HOCl)にもなる。過酸化水素次亜塩素酸は、好中球で殺菌作用をする。過酸化水素の標準酸化還元電位は1.35mVと高く、電子を引き抜く作用があるが、酸化力は、酸化チタンよりは、弱い。 過酸化水素は、細胞膜を容易に通過する。 赤血球では、血漿中で生成された過酸化水素が、細胞膜を通過し、赤血球内の3価鉄の存在下、フェントン反応などにより、ヒドキシルラジカルに変化する。ヒドキシルラジカルは、細胞膜内側から膜障害を来たし、赤血球を溶血させると言う。ウイルソン病では、血清銅は減少するが、遷移金属として作用する銅(アルブミンと結合している)は、増加している。2価銅は、生体膜蛋白のSH基により1価銅に還元される。1価銅は、安定な2価銅に戻る際に、酸素に電子を与えるので、スーパーオキシドが生成させる。スーパーオキシドは、(血漿中で)不均化反応により、過酸化水素になり、さらに、過酸化水素は、1価銅により、ヒドロキシルラジカルになる。

3)ヒドロキシルラジカル(HO・)

 ヒドロキシルラジカル(hydroxyl radical)は、存在するのは100万分の1秒間と寿命が短いが、酸化力は強く、酵素蛋白質や細胞骨格蛋白質、脂質、糖質、核酸(DNA、RNA)などと反応する。  ヒドキシルラジカルは、特に、脂質を連鎖的に酸化させてしまう。この連鎖的脂質過酸化反応を停止出来るのは、抗酸化物質の、ビタミンE。

 ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素がスーパーオキシドや金属イオンと反応して、生成される

Fe2++H2O2→Fe3++HO+HO・ (フェントン反応)

2分子のヒドロキシルラジカルは、過酸化水素に戻る

・OH+・OH→H2O2  

ヒドロキシルラジカルは、スーパーオキシドと反応する

・OH+O2→-OH+O2 

ヒドキシルラジカルは、過酸化水素と反応する

・OH+H2O2→H2O+HOO・

ヒドロキシルラジカルは、グルタチオンと反応して消去される

・OH+GSH→H2O+GS・

グルタチオン(glutathione)は、アセチルシステイン(N-acetylcysteine:NAC)から合成される。N-acetylcysteineを摂取して、細胞内のグルタチオン濃度を高めると、ミトコンドリアや細胞が、活性酸素の障害作用から、防御される。アセチルシステイン(N-acetylcysteine)は、それ自身、抗酸化作用(antioxidant properties)がある。また、機序は不明だが、パントテン酸(pantothenic acid)を投与して、細胞内のCoA量を増加させると、グルタチオン濃度が高まる。ヒドキシルラジカルは、細胞膜を構成する脂質と反応し、過酸化脂質が蓄積する(連鎖的脂質過酸化反応)。過酸化脂質自体にもラジカル作用があり、他の物質を酸化させる  

4)一重項酸素(1O2)  

一重項酸素の生成には、まず、基底状態の酸素分子(三重項酸素、3O2)が、光などのエネルギーを吸収し、励起状態になり(電子遷移)、反結合性の軌道(πy*)の不対電子1ケ(1/2のスピン)が、スピンの向きを変える(-1/2のスピンになる:スピン反転)と、3Σg+の一重項酸素になる。  さらに、3Σg+の一重項酸素では、速やかに、反結合性の軌道(πy*)の不対電子(-1/2のスピン)が、別の軌道(πχ*)に入る。そして、別の軌道(πχ*)に存在した、異なるスピン(1/2のスピン)の不対電子と、対になって、互いのスピンを打ち消すようになったのが、1⊿gの一重項酸素。通常の反応に関与するのは、1⊿gの一重項酸素で、三重項酸素(基底状態の酸素分子)より、よ94.1KJ/mol、エネルギー準位が、高い。スーパーオキシドが、電子を受け取って生じるのに対して、一重項酸素は、エネルギーを吸収して、生じる。一重項酸素は、不対電子を持たないが、「空の軌道」(πy*)が、2ケの電子を強く求めるため、強力な酸化力を発揮する。一重項酸素は、不飽和脂肪酸と反応して、過酸化脂質を生じる。一重項酸素は、皮膚で紫外線が当たる際に発生し、コラーゲンやエラスチンなど皮膚の若さを保つ蛋白を破壊する。 一重項酸素は、電子を奪って、スーパーオキシドになる:

A+1O2→A++O2  一重項酸素は、再び、基底状態の酸素(三重項酸素)になる時に、近赤外領域の波長(1.27μm)で発光する。 一重項酸素は、抗酸化物質でも、カロテノイドが消去する。カロテノイドには、細胞膜で作用するカロテノイド(リコピン、α-カロテン、β-カロテン)と、細胞内で作用するカロテノイド(ルテイン)が、存在する。  食事から摂取したカロテノイドは、細胞(細胞膜や細胞内)に移行し、1~2日間、活性酸素(一重項酸素)の消去に有効と言われる。β-カロテンは、紫外線により発生する一重項酸素を消去し、皮膚のシミなどを改善・予防する。ニンジンは、茹でると、β-カロテンの腸からの吸収が高まる。茹でたニンジンを摂取した場合、生のニンジンを摂取した場合に比して、血中のβ-カロテン濃度は、高い(摂取6時間後で平均1.4倍、摂取8時間後で平均1.6倍 血中のβ-カロテン濃度が、高い)ニンジンを茹でたジュース(果汁)を飲むと、皮膚のシミが、改善する。  一重項酸素の消去には、ビタミンCやビタミンEは、有効でない。

活性酸素が発生する原因

普通に生活しているだけでも作られる

先ほど説明の中でもありましたが、好気性生物である、人間は、酸素を吸って生命維持をしている関係で、普通に生活しているだけでも、活性酸素は常に発生させています。その量は、酸素使用量約2%で、約10億個の活性酸素を発生させています。しかし、活性酸素は細菌やウイルスなどから体をガードする役割も果たしているため、すべてが悪いわけではありませんが、暴飲暴食によってより発生量が増加するのです。

ストレス

ストレスを受けると、身体はそれに対抗しようとします。そこでストレスを緩和させてくれる「副腎皮質ホルモン」が分泌されるのですが、その際に一緒に活性酸素も作られてしまいます。 また、ストレスが溜まっているとビタミンCの消費量も増えます。ビタミンCにもストレスを和らげる効果があるためなのですが、実はビタミンCは抗酸化作用も強いため、体内から減ってしまうと活性酸素の勢力が強くなってしまいます。

紫外線

紫外線を浴びると、身体を守るために活性酸素が発生します。特に、肌に直接浴びた場合には強力な活性酸素が生まれることも知られています。紫外線がシミなどの肌トラブルの原因となるのはこのためです。 

喫煙

タバコも活性酸素発生の原因です。タールに代表されるような有害物質が体内に入りますので、そこから細胞を守るために活性酸素が増えるわけです。受動喫煙でも同じ影響がありますので、喫煙者でないからといって安心はできません。

過度な飲酒

アルコールは適量であれば活性酸素を減らしてくれます。しかしアルコールを分解する際にも活性酸素は発生しますので、摂取量が多すぎると逆効果です。 食品添加物・大気汚染など 活性酸素は本来、身体を守るために生まれるものです。基本的には、身体にとって悪影響のあるものが体内に入ると活性酸素が増える、と考えて問題ありません。

激しい運動

意外なところでは、激しい運動も原因の1つです。運動をすると呼吸が増えますので、酸素量が増えることになります。すると、必然的に活性酸素に変換される量も増えるということです。 また、運動時には体温が上がりますが、これも活性酸素の変換率を上げる一因です。

 

活性酸素と病気の関係

活性酸素は、血管を障害し、老化や細胞の癌化を促進する。 摂取カロリーを制限すると、活性酸素の発生量が減少する。 また適度な運動によって、筋肉を使う事で、生体内の活性酸素の除去能が高まる。

 活性酸素は、主にミトコンドリアでのエネルギー代謝(電子伝達系)によって発生しますが、その他 炎症時の白血球、アラキドン酸代謝、心筋梗塞の虚血-再灌流、抗癌剤、除草剤、などで生成される。

活性酸素と人体への障害

多くの好気性生物は、生命維持に必要なエネルギーを得るため、ミトコンドリアで絶えず酸素を消費している。これらの酸素の一部は、代謝過程において約2%が活性酸素と呼ばれる反応性が高い状態に変換されることがある。

呼吸鎖で活性酸素を生成するのは主にミトコンドリア中の電子伝達系の複合体Ⅲにおける反応である。

ユビキノール+2シトクロムc3++2H+in → ユビキノン+2シトクロムc2++4H+out

ユビキノン(Q)は複合体Ⅰ(NADH-CoQレダクターゼ)または複合体Ⅱ(コハク酸-CoQレダクターゼ)によって還元されてユビキノール(QH2)となる。QH2は引き続いて1電子還元を行ってユビセミキノン(・Q-)へ、さらにもう1電子還元を行って元の酸化状態のユビキノン(Q)に戻るが、このときの不安定な中間体であるユビセミキノン(・Q-)は酸素と直接に反応してスーパーオキサイドアニオン(O2)を生成しやすい。この活性酸素発生率は摂取する酸素量の1~3%であると言われている。

このため人体では1日100リットル以上の活性酸素が発生していると言われている。しかし、実際の発生率は0.1~0.2%であるとも言われている。 発生した活性酸素・フリーラジカルは様々な物質に対して非特異的な化学反応をもたらし、細胞に損傷を与え得るために、その有害性が指摘されている。 それを防ぐために各組織には抗酸化酵素と呼ばれる、活性酸素・フリーラジカルを消去あるいは除去する酵素が存在する。その抗酸化酵素としてカタラーゼスーパーオキシドディスムターゼペルオキシダーゼなど、活性酸素を無害化する酵素がある。 細胞内の酵素で分解しきれない余分な活性酸素生活習慣病老化等、さまざまな病気の原因であるといわれております。

遺伝子操作によって活性酸素を生じやすくしたアイスバケツチャレンジなどでメジャーとなった、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデル動物も存在するが、因果関係がはっきりとしていないものも多い。 なお、喫煙による活性酸素の増加が、細胞を傷つけを増加させるのみでなく、ビタミンCの破壊を促進し、しみくすみなどの原因となるメラニンを増加させてしまうことが知られている。

活性酸素は高い反応活性を持つため、外部から入り込んできた異物(微生物)を排除することが出来るのがわかってきた。これらを応用して病気の治療や新薬の開発が期待される。 白血球などの好中球やマクロファージが体内の異物や毒物を認識し取り込み分解することは知られているがこの時に細菌などを分解するのに活性酸素が働いている。

白血球(好中球)は、体内に細菌が侵入してくると捕獲(貪食)し、白血球はNAD(P)Hオキシダーゼを使ってNADH(NADPH)H+と酸素を反応させて、過酸化水素を生成し、貪食されてもまだ増殖しようとする細菌を殺菌し感染から守る生体防御メカニズムを有する。 体内で取り込まれた酸素から発生する活性酸素以外に外的な要因で発生する活性酸素もある。紫外線放射線などが細胞に照射されると細胞内に活性酸素が発生するのが知られている。これを利用したものに、癌治療として放射線治療などが有名である。 また活性酸素の呼ばれている物質の一部は、内因性に増殖の細胞内シグナルとして働く事が明らかになってきた。 このように生体と活性酸素の関係の有害・有用の両側面においての研究が行われている。

活性酸素の生物フォトン反応

 体内に、活性酸素や、酸化ストレス増加すると、生物フォトンによる発光が、増加する(注8)。  生物フォトン(バイオフォトン)による発光は、細胞内で、活性酸素により、ラジカル連鎖反応が起こる為と考えられている(リポキシゲナーゼ等の酸化酵素が、発光に関与する)。

活性酸素による人体への障害

1)過酸化脂質

 脂質は、細胞膜の主成分であり、また、血液中ではLDLなどのリポ蛋白として運搬される。脂質は、活性酸素(特に、ヒドロキシルラジカル)により酸化変性され、過酸化脂質が生じる。過酸化脂質により、細胞膜機能が変化したり、細胞が障害される。また、他の蛋白が酸化される。 過酸化脂質が増加した酸化LDLは、血管内皮細胞を障害し、動脈硬化を来たしたり、血栓を作りやすい体質にする。  年をとったマウスの脳や肝臓には、若いマウスの数倍の過酸化脂質が蓄積されている。

2)酵素活性の低下

 ヒドロキシルラジカルにより、酵素蛋白が酸化変性される酵素蛋白が酸化変性すると、酵素活性が低下し、熱に対して不安定になり、細胞の機能が低下する。活性酸素によりアミノ酸が酸化されて生じるカルボニル化合物の量は、老化とともに増えることが、マウスの脳や腎臓や肝臓、ヒトの脳や眼の水晶体で、観察されている。

3)動脈硬化や、心筋梗塞あるいは脳梗塞の発症

 ヒドロキシルラジカル一重項酸素により、不飽和脂肪酸が酸化変性される。酸化された不飽和脂肪酸を含む酸化LDLは、血管内皮細胞を障害し、動脈硬化を来たしたり、血栓を作りやすい体質にする。  その結果、心筋梗塞や脳梗塞が発症する。  (ただし、酸化LDLに含まれる過酸化脂質は、生体内で活性酸素が原因で生成されるものよりも、食事由来のものもあると思われます。) 

4)発癌すべての活性酸素は、核酸を障害する。

細胞は、DNAが酸化され、障害を受けると、癌化したり、細胞死に陥る。抗酸化物質は、発癌を抑制する。 なお、ニトロサミンニトロソアミン)などの発癌物質は、直接的ないし間接的にフリーラジカルを生成する。

5)老化の促進

 DNAの塩基G(グアニン)が酸化されると、OHG(8-ヒドロキシ-2-デオキシグアノシン)と言う物質が生じる。OHGの細胞内の量は、核よりミトコンドリアに多い。  脳や肝臓や心臓に含まれるOHG量は、年をとったマウスの方が、若いマウスより、多い。加齢により、活性酸素によるDNA障害が蓄積するものと考えられる。

6)寿命の短縮

 活性酸素は、1回の細胞分裂当りのテロメア短縮を大きくし、細胞の分裂回数を減らすので、寿命が短くなる。 カロテノイドを多く含む緑黄色野菜の摂取量が少ないと、活性酸素により、テロメアが早期に短く切断され、老化が早まると言う。

7)白内障

ブドウ糖(グルコース)は、眼の水晶体の中で、sorbitol pathwayで代謝される。糖尿病で水晶体内のブドウ糖濃度が高いと、アルドース還元酵素(aldose reductase:AR)により還元されて生成されるソルビトールが増加して蓄積し、糖尿病性白内障になる。もう一つは、糖尿病で過酸化脂質が沢山生成されるのが原因でなる白内障で、ビタミンEが、ある程度、効果がある。糖尿病などで、高血糖状態が続くと、ミトコンドリアの電子伝達系を介して、活性酸素(ROS)が、多く産生される。  老人性白内障も、過酸化脂質の増加が原因である。過酸化脂質の増加には、活性酸素が影響している。

8.皮膚のシミ(褐色顆粒)

細胞内のリソソームの膜の不飽和脂肪酸が、活性酸素で酸化されて生じる過酸化脂質(と蛋白質の複合体)が、リポフスチンとして蓄積すると、シミになる。

9)アルツハイマー病

 活性酸素によりアミノ酸が酸化されて生じるカルボニル化合物の量が、アルツハイマー病の患者では多いという。 なお、神経細胞膜内コレステロール量が増加すると、Aβ(アミロイドβ蛋白)が、脳内で重合(凝集)し易くなり、脳内に蓄積し、アルツハイマー病(痴呆症、認知症)を来たすと考えられる。

10)レッドクス制御

細胞質内では、NFkB(nuclear factor kappa B:免疫グロブリンk鎖遺伝子発現のエンハンサーのB断片、NFkB(NF kappa B)は、IkB(inhibitor kB)と結合している。活性酸素は、PKC(キナーゼC)、PTK(protein tyrosine kinase:細胞質型チロシンキナーゼ)、セリンキナーゼを活性化させ、NFkBとIkBの結合を解離させ、遊離したNFkBは、核内に移行し、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-2など)、NO(iNOS)、T細胞受容体、MHCなどの遺伝子を活性化させる。IL-1βは、NFkBの発現を介して、COX-2と、EP3受容体のmRNAの発現を、増加させる。COX-2により産生されたPGE2は、EP3受容体に結合し、cAMPを低下させ、ブドウ糖によるインスリン分泌を、抑制する。

11)腎障害

 腎臓では、活性酸素スーパーオキシド)は、NADPHオキシダーゼ、あるいは、ミトコンドリアで、産生される。  腎臓では、NOが、L-アルギニンから、eNOSにより、生成される。NOは、血管を拡張させ、血管を保護するが、NOが、スーパーオキシドと反応すると、ペルオキシナイトライト(ONOO-)と言う、より強力な酸化因子が、生成され、細胞障害が起こる。  

体内にある活性酸素を分解消去する酵素

 活性酸素を解毒する代表的な酵素系には、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)カタラーーゼ(catalase)グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH peroxidase)グルタチオン還元酵素(GSH reductase)Glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD)が存在する。  

1)スーパーオキシドディスムターゼ(SOD:superoxide dismutase)

 SODは、スーパーオキシドを、過酸化水素と酸素に分解する

2O2+2H+→O2+H2O2  

細胞質やミトコンドリア内に存在していて、銅(Cu)や亜鉛(Zn)やマンガン(Mn)が補助因子となる。SODは、運動など、必要に応じて、たくさん誘導されて作られるようになるが、老齢になると誘導能力が低下するという。筋肉を使った運動は、SODの活性を高め、活性酸素の除去能を高める。人は、体重当りのカロリー消費量に対してSODの活性が他の動物より高いため、寿命が長いと、考えられる。  血清中のSOD活性は、成人より小児の方が高い:年齢が若い小児の方が、高い。細胞内には、SODのように、活性酸素を消去(除去)する働きのある酵素が存在するが、細胞外にはあまり存在しないので、細胞は、外からの活性酸素には、弱いと言われる。  

2)カタラーゼ

 過酸化水素を、酸素と水に分解する酵素。

2H2O2→2H2O+O2

カタラーゼは、SODと共同して、生命の寿命の延長に関与している。血管内皮細胞では、カタラーゼ活性が低い。過酸化水素(H2O2)は、細胞膜(生体膜)を自由に通過可能なので、ペルオキシゾーム(peroxisome)内のカタラーゼ以外に、細胞質ゾル(cytosol)のグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)、チオレドキシンペルオキシダーゼ(thioredoxin peroxidase)、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(ascorbate peroxidase)によっても、水に分解される。  

3)グルタチオンペルオキシダーゼ

 グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px:glutathione peroxidase)は、セレン(Se)を活性中心に持つ。  グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化水素を、グルタチオンの存在下で、水に代謝させ、酸化型グルタチオンを生成する:

H2O2+2GSH→2H2O+GSSG   

また、グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化脂質を還元する:

LOOH+2GSH→LOH+GSSG+H2O

なお、グルタチオンペルオキシダーゼは、ヒドロキシルラジカルを消去させるが、ビタミンB2(リボフラビン)を補酵素とするので、ビタミンB2の欠乏は、過酸化脂質の増量を来たす。  細胞内のグルタチオン(GSH)の濃度は、5~10mMと、高い。  細胞内の酸素分圧が上昇すると、ミトコンドリアの電子伝達系の電子の流れが活性化させ、cytochrome c oxidaseが、酸化状態にシフトする。その結果、[NAD]/{NADH]比([NADP]/{NADPH]比)や、GSSG/GSH比が、上昇する(NADH/NAD+比は、低下する)。  Glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD)と、6-phosphogluconate dehydrogenase(6-PGD)により生成される12分子のNADPHを用いて、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)と、グルタチオン還元酵素(GSH reductase)により、12分子の過酸化水素(H2O2)が消去され、6分子の二酸化炭素(CO2)が、肺から排出される。

抗酸化物質と酵素

活性酸素の損傷に対して、対抗する、抗酸化物質にはビタミンCビタミンEベータカロチンビタミンAグルタチオンなどがある。 活性酸素を除去する酵素には上述のスーパーオキシドディスムターゼカタラーゼなどがある。 近年アメリカでは、食材や健康食品の抗酸化能力の指標として活性酸素吸収能力(ORAC)を採用する傾向にある。

ビタミンEは、フリーラジカルを消失させることにより自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止する。発生したビタミンEラジカルは、ビタミンCなどの抗酸化物質によりビタミンEに再生される。

キサンチンオキシダーゼは、キサンチン1分子から、尿酸スーパーオキシド(O2)をそれぞれ1分子生成する。キサンチンオキシダーゼ阻害剤フェブキソスタット,トピロキソスタット)は、活性酸素種の生成を減少させる。

 

増えすぎた活性酸素による酸化損傷への対処法

活性酸素のうち、スパーオキシドヒドロキシルラジカルは、1個の不対電子を有しており、フリーラジカルとして、他の分子から電子を奪って、酸化させる。ことで、酸化損傷が発生します。それに対して、水素原子(原子核1ケ、電子1ケからなる)も、k殻に不対電子を持っており、水素ラジカルで、H2の形で互いの電子を共有結合して安定する。

活性酸素を減少させるには、まず、バランスの良い食生活をする事と規則的な生活をする事が大事です。身体にまつわるトラブルの多くは、この2つをしっかりとやるだけで改善されるはずです。活性酸素の発生の原因ついても多くは食事と生活習慣で防ぐことが可能です。それ以外、紫外線防止のため外出時に帽子や日傘を活用することが効果的です。 現代はストレス社会ですから、完全にストレスをなくすということは出来ません、睡眠をしっかりととることや自分なりのストレス解消法を作っておく事で、活性酸素の抑制効果があります。また、毎日の食事の中で抗酸化物質を多く摂取するようにすることも有効です。

 

活性酸素の食品加熱

食品(肉や魚)を高温で加熱調理すると、蛋白質が熱変性を起こし、ヘテロサイクリックアミンが生成されます。ヘテロサイクリックアミンは、生体内で、N-水酸化体となり、エステル化されて、遺伝子DNA鎖を切断し、変異原性をおこします。ヘテロサイクリックアミンが、遺伝子DNA鎖を切断する際には、活性酸素スーパーオキシドアニオン過酸化水素ヒドロキシラジカル等)が、関与します。

 ブドウ糖とアミノ酸が共存する食品を、加熱調理すると、メイラード反応により、ヒドキシフラノン誘導体(芳香成分)が生成される。ヒドキシフラノン誘導体は、活性酸素を発生させ、DNA鎖を切断したり、組織障害を起こす。電子レンジは、電磁波(2450MHzのマイクロ波)により、水分子を共鳴振動させ、水分子(双極子)を回転運動させ、電磁波のエネルギーが、熱運動エネルギー(摩擦熱)に変換され、食品の温度が上昇する。電子レンジ調理では、水は、100℃までしか温度が上昇しない(油は、電磁波の吸収効率が、水より低いが、温度は100℃以上に上昇する)。

ビタミンC残存率は、電子レンジで調理した方が、従来調理(煮沸など)より、多い(水さらし液や、煮汁へ溶出率が少ない)。ほうれん草の場合、ビタミンC残存率は、電子レンジ調理が82%なのに対して、従来調理は69%。  ビタミンB1残存率も、電子レンジ調理の方が、5~15%多い。  電子レンジで調理した方が、従来調理(煮沸など)より、残存率が高いのは、水さらしがない為に、溶出率が低い為。  従来調理(茹でる調理)では、「あく」(Ca、Mg、Kなどの無機塩類、タンニン、アルカロイド、サポニン、配糖体、有機酸等を含む、辛味や渋味の不味成分)が、水に溶出する。特に、野菜は、「あく」の有機酸が、加熱により壊れた組織から、溶出するので、クロロフィルの色が悪化させない為に、水さらしする必要がある。「あく」は、電子レンジ調理では、食品中に、多く残る(タンニン等は、抗酸化物質としての作用も、期待出来る)。

ワラビ(蕨)は、「あく」(灰汁)として、タンニン(ポリフェノールの1種)や、ビタミンB1破壊酵素を含んでいるので、動物(鹿等)は、ワラビ(蕨)を食べない。 電子レンジにより、水分子は、マイクロ波による電界の変化に追従して動く。しかし、蛋白質や澱粉のような巨大分子は、電界の変化に追従出来ず、末端基が振動する程度に過ぎない。  

電子レンジ調理(マイクロ波加熱)は、蒸した場合より、細胞の変形は大きいが、細胞壁の損傷は、少ない。  電子レンジ調理では、蒸した場合に比して、食物繊維のペクチンが、水溶化しにくいので、柔らかくなり難い(シャキシャキした歯応えになる)。

電子レンジ調理では、脂質の酸化の度合いは、従来調理(オーブン等)と同等と言われる。

電子レンジ調理では、中性脂肪の劣化は、オーブンより少なく、リン脂質の劣化は、オーブンより多いと言う。 一般に、加熱調理により、抗酸化物質(ビタミンC、ポリフェノール等)は、酸化酵素の活性が失われるので、残存しやすくなる。

そして、特に、電子レンジ調理では、煮たりした場合に比し、抗酸化物質が、茹で汁中に流出しないので、残存率が高くなる。  

電子レンジ調理では、水の温度は100℃までしか上昇しない(焦げ目が付かない)ので、発癌性のある焦げ物質(ジメチルニトロソアミン)、トリプトファン加熱分解産物の発生量が、ガス火加熱より少ない:魚肉中のジメチルニトロソアミン量は、生肉中0.1~1.0μg/kg、ガス火加熱0.2~2.0μg/kg、電子レンジ調理0.1~0.60μg/kg。

 精製した油脂(oil)は、電子レンジによる加熱調理(microwave healing)により、酸化変性(oxidativedeterioration)する。精製した油脂の電子レンジによる酸化変性は、セサモール(sesamol:リグナン)や、ビタミンE(tocophenol)を添加すると、著明に、抑制される。

大豆を、いろいろな水分濃度(moistures)で、電子レンジにより焼いた(roast)実験結果では、大豆を、予め水に浸して(soaking)から、電子レンジで焼くと、ビタミンEの減少や、大豆油脂の酸化変性が、抑制された。水に浸した大豆は、電子レンジで20分間焼いても、ビタミンEは、80%以上が残存し、大豆油脂は、ほとんど化学的に変化しなかった(電子レンジで調理しても、ビタミンEが含まれていれば、油脂は、あまり、酸化変性しない)。 ビタミンEは、大豆では、軸(Axis)に一番多く、次いで、子葉(cotyledons)、殻(coat)に多く含まれる。大豆を(水に浸さないで)電子レンジで加熱すると、殻に含まれるビタミンEの40%が喪失するが、軸や子葉に含まれるビタミンEの80%以上は、保持される。なお、電子レンジで加熱すると、特に、殻の部位で、トリグリセリド(triacylglycerol)やリン脂質や多価不飽和脂肪酸が減少する。大豆の軸や子葉に含まれるビタミンEは、電子レンジの調理しても、多くが保持される。  

 

参考 活性酸素が体内で発生しない場合の問題

これまで、活性酸素の悪影響について書いてきましたが、遺伝的に、体内で活性酸素が発生しない場合次のような疾患が生まれます。

慢性肉芽腫症  慢性肉芽腫症(chronic granulomatous disease:CGD)は、食細胞(好中球、単球)に存在するNADPHオキシダーゼの構成蛋白が、遺伝的に欠損し、食細胞の活性酸素産生能が欠如している。  慢性肉芽腫症(CGD)では、食細胞(好中球、単球)が、カタラーゼ陽性で過酸化水素(H2O2)非産生性の細菌(黄色ブドウ球菌、グラム陰性菌、結核菌)や、真菌を、殺菌する能力が低下している為、乳幼児期から、重症感染を反復し、肉芽腫が形成される。  慢性肉芽腫症(CGD)の遺伝形式には、伴性劣性(X-CGD)と、常染色体劣性(A-CGD)との2型がある。

参考資料

活性酸素

活性酸素が体内に発生する原因と対処法

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水素が健康に影響する7のポイント