最近、「水素」が健康に良いとの話題が出るようになりました、ここで、基本に戻って実際、水素がどのように体が良いのかの前にまず水素とはどのようなものなのか、またどのように体に影響を与えているかをちょっと考えてみましょう。

水素と健康の関係

そもそも水素とは

水素は原子番号1番、原子量1(実際正式には違うが)、非金属元素で宇宙の中で1番多く存在している元素である。

水素は、宇宙の質量の約3/4を締めている、そして、原子の総量では、約90%が水素なのである。実際水素のほとんどは、星間ガスや銀河間ガス、恒星(太陽のような光る星)、木星型惑星(ほとんどをガスで出来た惑星)の構成物として存在している。

水素は地球上では

一方で、地球表面では、酸素、ケイ素に次いで3番目に多い元素ですが、重量が小さいため、クラーク数で考えると9番目になる元素である。(クラーク数とは、海抜10マイル(約16km)までのすべての元素を重量比で算出したもので、酸素、ケイ素、アルミニウムとつづくが、殆どが岩石中に含まれる無機化合物の状態で存在する。)水素原子は、ほとんど海水の状態で存在しており、単体の水素分子の状態では、天然ガスの中にわずかに含まれる程度である。現在の大気中では、濃度は1ppm(100万分の1)以下とほとんど存在していないのです。

水素分子の特長

水素と言っていると H の単体で存在していると思っている人がいるが、水素は、大気中ではH2という水素分子の形で存在している、水素分子は、大気中では非常に安定したもので、通常状態であれば、フッ素以外とは反応しない。但し、それは化学的なショック等がない前提であり、光があれば、塩素と激しい反応をおこし、酸素と混合させて、引火、電気等でショックを与えれば、爆発反応をして、水が生成する。ちなみですが、反応するためには、ある程度水素の濃度が必要で、酸素混合の場合4.61%であるが、通常大気でも4.1%以下では、反応を起こさない。ガスとして利用する場合は、4%を超えると、引火性のガスと同様の扱いをする必要があります。水素は、水に溶解する事が出来ます、文献によって異なりますが、0.0175mL~0.021mL/1mL水(0℃)で、濃度に換算すると、1.75~1.88ppm(常圧0℃)となります。0℃の状態で、最大1.88ppmしか溶解しないため、常温26℃では、実際水素濃度は、低くなると推察できます。

水素分子は、薄い濃度の状態では、拡散性が高く、飛散しやすく、貯蔵に対してガス漏れがおきやすい原因でもある。また、水素の直径が小さい事もあり、金属等に侵入して水素ぜい化と呼ばれ現象があるのも知られている。鋼材の場合、水素が侵入すると、じん性や延性等が落ちるとされています。これらは、高温高圧の状態で起こりやすく、水素エンジンを使用しているロケットの材料などに問題視されているものです。

水素の化学的性質

水素は、電気陰性度(電子を引き寄せる力)が2.2であり、酸化剤としても、還元剤としても働く元素である。そのため、非金属元素であっても、金属元素であっても親和しやすい。例えば、水素と酸素が化学合成するときには、還元剤として働き、爆発的な反応で水(H2O)を生じる。またナトリウムと反応では、酸化剤として働き、水素化ナトリウム(NaH)を生じる。このような水素と田の元素が結合した物質を水素化合物という。

水素化物には、イオン結合型、共有結合型の他に、パラジウム水素化物などの侵入型固溶体(侵入型化合物)と呼ばれる3種類の形態がある。イオン結合型で、水素はH(ヒドリド)として存在する。共有結合型は、電気陰性度が高いPブロック元素と電子を共有して化学結合している。そして侵入型固溶体は一種の合金であり、水素吸蔵合金に利用され、高性能な水素吸蔵合金の水素原子の密度は、高温高圧時にしか存在しない、液体水素に匹敵する。

一方で、電気陰性度の大きい元素との化学結合においては、H+イオンとなる。水素イオンを生じる物質が狭義の酸である。水溶液中では、H+(ヒドロン)ではなく、水分子と結合したH3O+(オキソニウムイオン)として存在している。そして水素は、炭素と結合する事で、様々な有機化合物を形成している。

水素イオンと水素化物イオン

水素がイオン化した場合、陽イオンである、水素イオン(ヒドロンH+)と水素化物イオン(ヒドリドH)が存在する、非常にまれな元素である。一般的に小中学生までの教科書では、水素イオンまでしかのっていないため、ヒドリドの存在は知らない人が多いのかと思われる。

水素イオン濃度[H+]は酸性度を定量的に表す指数であるが、mol/L単位で表した水素イオン濃度の数値対数に負号をつけた値を水素イオン指数(pH)といい、水中の[H+]濃度は1から10-14mol/L程度の広い範囲を取り、pHでは0~14程度となる。水は約10-7mol/Lの水素イオンが存在してpHは約7となる。

ヒドロンとヒドリド

ヒドロン(H+)は、電子殻をもたない原子核のみの状態で、化学的にはファンデルワールス力を持たない正の点電荷のように振る舞うため、単独では存在せず、溶媒などの他の分子の電子殻と結合したヒドロニウムイオンとして存在する。水素のイオン化エネルギーは、1131kJmol-1に対して、遊離状態の水素イオンの水和エネルギーは、1091KJ mol-1と水分子との高い親和力がある。そのため、水、アルコール、エーテルなどに代表される極性溶媒中では、溶液中の酸素原子の電子殻と結合して、オキソニウムイオンと呼ばれる状態になっている。

一方で、ヒドリド(H)はアルカリ金属、アルカリ土類金属あるいは第13・14族元素などの、電気的に陽性な元素の水素化物が電離するときにヒドリド(H-)が生成し、こりを水素化物イオンと呼ばれる。ヒドリドはK殻が閉殻した電子配置を持ち、原子核の大きい、フッ素アニオンよりもイオン半径が大きいような挙動を行う。

ヒドリドは極めて弱い酸である、水分子の共役塩基であるので、強塩基として振る舞う。ヒドリドは、塩基として作用する場合と還元剤として作用する場合があが、それは、金属と還元をうける化合物との組み合わせにより変化する。ヒドリドの酸化還元電位は-2.25Vである。

H2(g)+2e → 2H(aq)

体の老化と水素による還元力

体の老化とはどのようなものでしょうか?実はこの老化に係わっているのが、「活性酸素」と言われるものです。特に活性酸素の中で悪玉活性酸素と呼ばれる「ヒドロキシルラジカル」[OH・]は電子がひとつ無い状態のもので、これを中和して無害化する事が出来るのが、電子がひとつ多い、水素化イオンであるヒドリドで、これによって中和する事で、無害な水になる事から、ヒドリドの事を活性酸素に対して、「活性水素」や「マイナスイオン水素」と呼ばれたりします。

さて、もともと活性酸素が体内で発生するのでしょうか?実は活性酸素の90%は、ミトコンドリアと呼ばれる体内の発電所で発生しているのです。ミトコンドリアは、体内にある60兆個の細胞ひとつひとつにあり、人が生命活動をするためのエネルギーである、ATP(アデノシン3リン酸)を作り出す場所であります。これは、TCA回路と呼ばれる電子伝達系のサイクルで、食事などの栄養素である炭化水素と酸素からエネルギーであるATPを作る過程で、大量の電子を必要としています。ミトコンドリアという、生体発電所を動かすエネルギーが実は電子なのです。そのため電子を奪われた酸素が、副産物として、活性酸素が大量に放出されるのです。活性酸素はすべてが悪いと言うことではありません。外敵から体を守る、免疫系としての働きがあります。体内に侵入したバクテリア等を攻撃する白血球の武器も活性酸素の酸化力ですし、NK細胞によってガン化した細胞を攻撃するのも実は活性酸素の酸化力で行うため、すべての活性酸素が無くなると、免疫力が低下して、逆に病気になってしまうという問題もあります。実は活性酸素には代表的なものとして、スーパーオキシド、過酸化水素、そしてヒドロキシリラジカルであります。その中でも悪玉活性酸素と呼ばれているのが、「ヒドロキシルラジカル」なのであります。余談であるが、呼吸で取り込んだ、酸素がすべて活性酸素になるわけではない、実際活性酸素のなるのは、0.1~2%程度言われており、さらにその一部が、「ヒドロキシルラジカル」になるのです。

ヒドロキシルラジカルは、酸化力が活性酸素の中で1番高く、発生元であるミトコンドリアはもちろんの事、健康な細胞、そして、健康なDNAまで攻撃してキズをつけてしまうのです。そのため、健康な細胞を変質して、ガン化してしまう危険性のある活性酸素なのです。これらを抑えるのが、抗酸化物質と呼ばれるもので、これらも一応に、電子を活性酸素に供与する事で、活性酸素を無害な酸素に変える働きがありますが、抗酸化物質じたいも、電子が欠損する事で、別の酵素等の力で、再生したり、代謝によって体外に排出したりするものです。そのため、活性水素と呼ばれるヒドリド(H-)は、悪玉活性酸素のヒドロキシリラジカルを中和して、無害な水に変えるため、直接的に働くのである。

ヒドリド(H-)の特長として、大きく2つあります。1つは、宇宙一小さい元素であるため、細胞を通り抜けやすいため、血液等を介して、一度取り込むと約1分程度で、体中を巡らせる事が出来る事。2つ目は還元力が小さい事です。ヒドリドの酸化還元電位は-2.25Vです。これによって、善玉活性酸素には反応せず、酸化力の1番強い、悪玉活性酸素のみを中和する事が出来るため、過剰にヒドリドを取り込んでも免疫系に悪影響がある事はありません。ただし、利点でもあり欠点でもありますが、水素は非常に小さい原子で、体に巡りやすいという事は、拡散性の良い水素は、そのまま排出されてしまいます。そのため、健康維持に必要なマイナス水素イオン ヒドリドの取り入れ方には注意が必要になります。

 

参考資料

水素

多くの可能性を秘めた水素水

「水素水は体に良い」は本当か?効果の真偽を徹底検証

水素水・水素ってなに!?

水素のはなし第9回