水素とは、命の源のような存在
水素とはどのような物質なのか
水素は原子番号1番、原子量は1.00794で宇宙一小さな元素です。 英語では”hydrogen”となっている。日本語では、水の素(もと)と書くが、英語のhydrogenは、実は合成語で、ギリシャ語で水を表す、”ヒュードル”と生む、作り出すという意味のゲネンを合わせた言葉で、”水を生む物”という意味で命名された。実は日本語の水素はこれを日本語意味にして作った言葉のようです。
水素は宇宙の質量の4分の3をしめていおり、原子総量であれば約90%あると言われています。一方で地球上では、大気には、約1ppm以下と微量にしか含まれておらず、地球表面上としても酸素やケイ素に次いで3番目に多い物質ではあるが、質量割合としては、原子量が小さい事もあり、9番目にあたる元素である。しかし大気には、ほとんど存在していない、何処にあるのだろうか、実は地球上の水素は、海水中に水として、存在しており、残りも無機物に取り込まれたりして、殆どが化合物として存在している。
大気中の水素
水素は、大気中では、水素分子H2という形で存在している、水素分子は非常に安定したもので、通常はフッ素としか反応しない。そのため水素分子と酸素分子を混ぜても水にはなりません、着火したり、電気でスパークさせるなどすると爆発とともに、水になるようなものです。これが水素爆発といわれるものです。水素の酸化する反応は、ものすごいエネルギーを生みます、ただし、反応速度が速すぎるため、石油や石炭のような火力発電の材料としては、使えないため、燃料電池のような直接電気を生むような方法がとられているのです。
また、大気中に水素が少ない理由として、無機物等に入り込む事が可能な物質で、鉄やアルミなどは、水素が入りみやすい事で有名で、一般的にはこれは、水素ぜい化といわれる現象で、腐食とはことなり、見た目は変わらないのに、じん性等の強度が落ちる現象です。水素吸蔵金属などは、この原理を利用して、水素を固定化しているのです。また、水素サプリも同様の原理で、固定化しているようである。
水素の化学的性質
水素とは、酸化剤、還元剤両方の性質を持っているのをご存じでしょうか?水素は、一般的には、酸として働くことが一般的で、塩酸などは、H+ とCl-に分離しています。 H+はヒドロンと言われ酸の本体とも言われており、pH計と言われるものは、実はこのヒドロンの量を測定しているのです。
一方で、H-ヒドリドというものがあるのをご存じでしょうか、ヒドロンが、電子の無い原子核だけな存在に対して、ヒドリドは、電子がひとつ多いもので、塩基として働く。これは、水素の電気陰性度に起因する、水素の電気陰性度は2.2これよりも電気陰性度が弱い、アルカリ土類金属あるいは第13族・14族元素などの陽性元素などの水素化物として電離した時に発生する。つまり、カリウム、カルシウム、アルミニウム、バナジウム、ケイ素などもそれにあたる。
このヒドロンは特殊な環境下でしか存在出来ないものですが、酸化還元電位は-2.52Vと非常に還元力が高いものです。
有名な話であるが、九州大学白川教授の論文では、電気分解によって出来た活性水素は、同時に生成した、還元力の高いナノコロイドによって安定化させる理由としては、この電気陰性度の差が影響しているようである。
水素水の中の水素とは
水素水を語るときに、どうしてもマイナス水素イオンとも呼ばれるヒドリドが存在しているのか?いないかが争点としているようですが、実際文献等はありませんので、ひとつの仮説としてまとめてみました。ポイントは、酸化還元電位です。
ヒドリドの酸化還元電位は、-2.52Vで、ヒドロンの酸化還元電位は0Vです。これは、一般的にORPという単位で、電位ですので、水素イオンを中心にしているだけの事です。ヒドロンに対して、酸化性か還元性なのかを見ている単位です。
そのため、ヒドロキシリラジカルの酸化還元電位は+2.56Vですので、ヒドロンもヒドリドも還元剤として働くという事になります。ただし、還元力には2倍の開きがありますので、ヒドロンベースのものは、ヒドリドの2倍の水素量があって初めて同じレベルと考えてよいでしょう。
この仮説によって、水素水濃度が同じ場合の還元力が良いランキングとしては
1)原水の硬度が高く、電気分解で水素水を作っているもの
2)水素のナノバブル方式で水素水をつくっているもの
3)原水が軟水で電気分解式て水素水がつくられているもの
3)水素過飽和式の水素水
4)原水が水道水で電気分解しているもの、化学反応で水素水をつくっているもの
試験等はしていないため、仮説として還元力が強くなる順番ですので、参考にしてください。
ミトコンドリアに対する水素とは
ミトコンドリアと水素については、切っても切れない関係があります。もともとミトコンドリアは、食物として食べた、炭水化物、タンパク質、脂肪と、呼吸によって取得した酸素を使って、生体エネルギーのひとつである、ATPを作り出している機関であります。
ちょっと専門的に言うと、ミトコンドリアが働くと、TCA回路が動きます。身体の中での反応ですので、熱による反応が使えないため、すべて、電子のやりとりである、酸化還元反応によって、エネルギー物質をつくりだしていきます。その中で重要なのは、実は水素なのです。普段、食物の中から、水素を取りだして使用しているのですが、場合によって足りなくなるとエネルギーの生産が出来なくなります。水素は、このミトコンドリア発電所の潤滑油みたいな働きもあるのです。
そして、ミトコンドリアで酸素を消費した時にその2%が活性酸素が出来るのです。実は体内で作られる活性酸素の90%がこのミトコンドリアで発生するのです。そのため、場合によっては、悪玉活性酸素によって、発生元である、ミトコンドリアそのものを壊してしまう事もあるのです。
水素の特長として、水溶性、脂溶性両方の性質を持っています。ビタミンCは水溶性、ビタミンEは脂溶性で、それぞれ、活躍出来る場所が決まっているのです。しかし、水素は、細胞のどの場所でも素通りする事が出来ます。
そんな、水素の還元力ですが、実はビタミンよりも還元力としては、弱いのです。そのため、活性酸素の中でも、酸化力の強いヒドロキシルラジカルのみと反応するのです。
医療分野での水素の働き
水素の還元力の利用については、民間から始まりましたが、今現在一部の病院やクリニックにて、水素を治療に使用する動きが活発になってきました。今現在、病気、疾患の80%が、酸化ストレスが原因とされています。通常生体内では、活性酸素に対する、酵素がでていますが、加齢によって、その酵素が減少してきます。そのため還元剤不足となって、疾患を生じると言われています。水素によって効果が高いとされるものとして、パーキンソン病、糖尿病、アトピー、ガン等があげられますが、まだ研究段階でもあるので、絶対ではありません。
加齢以外にも、強いストレスによって活性酸素は、発生しますので、体内の酵素が足りない場合、疾患につながりますので、水素は治療というよりも、疾患の予防として、常に水素をとり続ける必要があります。
参考資料